何歳でも起きて、発症率が多い橈骨遠位端骨折を治療&予防しましょう

何歳でも起きて、発症率が多い橈骨遠位端骨折を治療&予防しましょう

高齢者に多い三大骨折は「腰椎圧迫骨折」「大腿骨頸部骨折」「橈骨遠位端骨折」です。今回は転んで手をついたときに多い「橈骨遠位端骨折」について紹介していきます。

80歳以上の方の骨粗鬆症になる割合は50%と言われて、加齢による骨の弱さが原因となります。しかし、高齢者だけでなく若い方も起きることもあり、それぞれ原因や対処法が異なります。年齢や転位で分類されているので少しでも生活に支障が出ないように対処をしていきましょう。

橈骨遠位端骨折とは

橈骨とは肘から手首までの親指側の骨のことで、小指側は尺骨と言います。橈骨遠位端骨折は手首に近い所が手をついた衝撃で橈骨が折れてしまう怪我です。

40歳未の発症率は男性が女性の1,4倍、40歳以降では女性が多くなるとされています。その中でも60歳以上の女性の14.5%が生涯の中で発症すると言われています。

原因

原因は年齢によって異なります。若年者ではスノーボードなどのスポーツや交通事故など強い衝撃で起きることが多いです。

高齢者は骨粗鬆症などが基盤にある場合、軽微な転倒でも発症することがあります。
女性では加齢によりホルモンバランスも崩れ骨がもろくなるため、発症率が高くなります。

年齢による分類

橈骨遠位端骨折は、年齢により大きく3つに分けることができ、子供・青壮年・高齢者の骨折です。

・子供の骨折
子供の骨は若木骨折と言い、若木がしなるように折れます。 また、ある程度曲がって骨癒合しても、徐々に自然と本来の形に戻っていきます。このことを骨のリモデリングと言います。

・青壮年の骨折
高所からの転落や交通事故、スポーツでの怪我など高エネルギー損傷が原因として多いです。骨折のずれが大きかったり、手関節の靱帯に合併損傷があったり、関節内に骨折が入ったりすることもあります。手術を受けないと後遺症が残りやすい場合が多いのが特徴です。

・高齢者の骨折
骨粗鬆症が元となり若い時には骨折しない程度の力でも、手首の骨は折れてしまいます。ほとんどはつまずいたり椅子に座り損ねたなどの転び方で骨折をしています。

転位による分類

骨折によるずれ方でも分類されていて、今回は「コーレス骨折」「スミス骨折」について紹介します。

・コーレス骨折
橈骨遠位端骨折の中で最も多く、手のひらを地面についたときに起こりやすいです。骨折部は手の甲の方向にずれるため手背が膨らんで見えます。

・スミス骨折
転倒した時に、手の甲を地面について骨折すると、骨折部は手のひらの方向にズレます。 これは「スミス骨折」と呼ばれます。自転車のハンドルを持ったまま転んだ時などに生じます。

症状

手首の付け根に痛みが出現し、手首を曲げることや手のひらを返す運動が出来なくなります。また腫れと熱をもちます。
放置すると骨が変形したまま固まり、痛みだけではなく痺れや動かなくなるなど2次的障害が出る可能性があります。早めに診断と治療することが重要です。

一般的な治療

関節外骨折やズレのない骨折はギブスなどの外固定による保存療法が行なわれます。ズレを伴う骨折の場合は、手術による治療が必要とされます。
可動域制限が伴うことも多いため、リハビリなどで関節拘縮を防いだり、腕の筋肉のトレーニングも重要です。

当院での治療

当院では手首の状態だけでなく、全身を見ていきます。体の歪みを治し血液の循環をよくして、回復力を上げることと正しい体の使い方で手首への負担を軽減することが目的です。

全身で循環を悪くしている場所や左右で均等に力を使えていない場所を治して、肩甲骨や背骨などの土台の歪みを整えることで2次的障害の予防と負担の少ない身体を作っていきます。

最後に

橈骨遠位端骨折は起きることが多く、普段から予防しても急な転倒や事故を防ぐことは難しいです。しかし、治療と適切な対処をすれば起きた後でも元の生活に近づけることは可能です。

当院では問診や検査で細かく調べていきます。痛みや動かしづらさを気にせず、何歳になっても同じ生活ができる身体を一緒に作っていきましょう。