手や指には骨や神経、血管が多く存在します。何事にも繊細に動く指が動きづらくなったり、変形してしまうと不便ですよね。
今回は指の先の関節が伸ばせなくなるマレット変形について紹介していきます。スポーツや指を使う趣味がいつまでも問題なくできるようにしていきましょう。
マレット変形とは
日常でよくみられる外傷の一つでベースボールフィンガーやドロップフィンガーとも呼ばれます。大部分は受傷後、早期に適切な処置を施せば保存療法が適応です。しかし、放置すると永続的な機能障害を残すため、注意を要する外傷です。
原因
マレット変形の原因の多くはスポーツ中の突き指です。突き指とは手指にボールが当たったり、転倒したりした際に、手指に外力が加わることによって生じる手指の怪我の総称です。
靱帯や腱などの軟部組織損傷や、骨折や関節脱臼・亜脱臼などの骨関節損傷などの可能性があります。
人の手や指には骨や関節、靭帯が数多くあり、損傷個所や怪我の方向によって変形する形も異なります。
その中でもマレット変形とは図の末節骨の甲側についている靭帯の損傷や末節骨の骨折により指の先の関節が曲がった状態のことを言います。
分類
マレット変形は大きく2つに分類され、一つは指の伸筋腱の断裂による腱性マレット変形です。伸筋腱が断裂するため自力で指を伸ばすことは困難ですが、痛みはほとんど感じません。
もう一つは指の一番先の末節骨の関節内骨折による骨性マレット変形です。骨折ですので痛みを伴いますが、ある程度の曲げ伸ばし運動はできます。
また、骨折の仕方によってさらに二つに分類されます。
①Ⅰ型:終止腱の断裂
②Ⅱ肩:終止腱の停止部での裂離骨折
③Ⅲ肩:末節骨の関節面を含む骨折
それぞれ治療法も異なりますので原因を把握することも重要です。
症状
マレットとは日本語で木槌のことで、マレット変形とは槌指とも言い、他動運動では動かせることができます。指の第1関節が木槌のように曲がった状態で、原因によって腫脹、痛み、指の伸展制限があります。
一般的な治療
腱性マレット変形の場合は装具での固定による保存療法が一般的です。指の第1関節を伸ばした状態で固定します。しかし、受傷から時間がたつと腱の自然治癒が困難になるので手術が適応になることもあります。
骨製マレット変形では放置すると脱臼を起こしてしまうため手術が適応となります。
切開せずに皮膚の上から銅線を刺し込む方法が一般的で体への負担は少ないです。
当院での治療
当院では指の状態だけでなく、全身を見ていきます。理由として、体の歪みや日常生活での癖が回復力を下げて元に戻りにくくする原因になることが多いためです。
全身で循環を悪くしている場所や左右で均等に力を使えていない場所を治して、指の神経の通り道を整えるていきます。
そうすることで指の腱が硬くなりづらい状態に整えていきます。また、日常生活での指への負担を軽減し、悪化を防ぎます。
最後に
指の変形は他にも数多く存在します。原因も異なり、注意点や対処法も変わるので、正しく判断することが重要です。当院では問診や検査で細かく調べ、症状とその原因を探していきます。
スポーツや趣味、育児や家事など指の動きは日常でいつでも必要です。いつまでも気にならない身体を一緒に作っていきましょう。